ポスト「まんが雑誌が年々売れなくなってるのはわかったけど(まんがが売れない!?参照)、最近はホームページやブログに自分の作品を載せたり、同人誌に発表することもできるよね。
ウェブ漫画に投稿してみんなに見てもらうこともできるし、もっと進んで自分が書いたものを電子書籍化して販売することができるウェブサイトもあるよ。」
ポスト「いいこと思いついたよ!こういうのどう?
自分の漫画を電子書籍化してガッポリもうけるの!
1冊100円として・・・100人に売れたら10,000円
1,000人に売れたら・・・10万円!?
出版社いらないんじゃない?うししし・・・ヨダレ」
配達員「バカだなぁ。まんがポスト
たしかに、自分の漫画を手軽にWEBで公開したり、販売したりすることができるようになって昔に比べると発表の場は増えてる。
電子書籍市場を調査しているインプレスR&Dによると、日本のコミック市場は2011年段階で514億円の市場規模になっていて、2015年には日本全体の電子書籍市場規模は2000億円まで拡大すると推計されてるんだ。
著作権了承の複雑さや、価格が一般書籍と変わらないなどいろんな問題があって期待ほど広がりをみせていない電子書籍だけど、ネット上で電子コミックストアが急増してるのをみると、今後電子コミックが紙の雑誌をこえて、新人漫画家発掘の場となる可能性は大きい。
でも、今のところビジネスとして成立しているのはプロとして描いている先生達の作品が中心で、素人の漫画家志望者、ましてまんがポストが描いた漫画なんて誰もお金だして買わないよ。」
ポスト「そうなんだ。ガックリ・・・」
配達員「これはつまりプロの漫画家さんと、ボクたちのような素人の漫画家志望の漫画とでは、ものすごく大きな実力差があるってことなんだ。その実力差ってのは何か?ボクは、読者がお金を払ってでも読みたいと思うかどうかだと思うんだ。
あのマンガの神様手塚治虫先生をもうならせた『ドラゴンボール』の鳥山明先生は、『Dr.スランプ』の中で担当編集者に原稿を何回もボツにされるエピソードを紹介してる。ボツ原稿は1年で500ページにものぼり、読者アンケートも最下位で人気がでない時期もあったそうだよ。
編集者は商業紙として売ってきた蓄積したノウハウをもってるし、読者がどういう漫画を読みたがってるのか常にマーケティングを行ってるから、新人漫画家が知りえない深い視野で作家を育ててくれる。
でも編集者は漫画が描けるわけではないから、作家は編集者から得た情報をどんどん自分のものにして編集者の考えを超える作品を仕上げる。こういった好循環でおもしろい漫画がたくさん世の中にでてくるんじゃないかな。
天才的と言われるプロの先生でさえ、こういう過程を経て世の中に出てきてる。
こう考えてみると編集者不在のWEBより雑誌のほうが漫画家デビューの可能性が高いよ。作家と編集はお互い補いあってるんだね。
雑誌が売れない編集部にとっては売り上げを伸ばしてくれる有望な作家の発掘が急務だから必死で探してる。遠慮しなくていいんだ。」
ポスト「でも、否定されたら怖いよ・・・。じゃあ、漫画家志望者は何回ボツと言われても、たとえ心が折れそうになっても、どんどん持ち込みや投稿をしよう!ってことでいいのかな。」
配達員「・・・・・・・・・・・・・・・・」
配達員「自分の漫画を電子書籍化してガッポリもうけるかぁ・・・それも一つの方法だなぁ。うしししし・・・」
~漫画家ノートNo.2~
漫画家志望者は編集者から得た情報をどんどん自分のものにして、編集の考えをこえる作品を一本仕上げることが漫画家デビューの一番の近道
配達員「ボクたちは少年まんが家志望だから、少なくともジャンプにマガジンにサンデーに・・・・・すべての少年誌の編集部に読んでもらうことを目標にしようよ。」
ポスト「なんでそんなにたくさん。サンデー志望ならサンデー、マガジン志望ならマガジン編集部に見てもらえばいいじゃん。」
配達員「編集者も人間だし、一人が言ってることが正しいとは限らないさ。」
ポスト「慎重だね・・・」
配達員「何よりたくさんのプロの意見を聞いてみたいじゃないか。このとき編集者のアドバイスを一段目線を高くして考えてみようと思うんだ。具体的なアドバイスを抽象化して普遍的なものにできれば、それを土台にして編集者をこえるアイデアを出すことも自分なりの表現を思いつくこともできる。もちろん拒否することも。そして普遍的なアドバイスは次の作品にも生かすことができると思うんだ。」