WEB漫画や電子書籍で収入を得て漫画家になる7つの秘訣

配達員「ボクのまわりには、まんがの専門学校をでて何年も下積みをしながら漫画家をめざしている友人がたくさんいる。

有名な漫画家の先生のアシスタントをしながら目指す人もいれば、実家でアルバイトをしながらがんばってる人もいる。でも現実的にはなかなかデビューできないで時間ばかりがたってしまってるんだ。

新しい漫画家デビューのカタチとして今回紹介するのは、アマゾンの自己電子出版でミリオン・セラーをたたきだしたアメリカミネソタ出身27歳の女性作家、アマンダ・ホッキングさんだ。

彼女は子供の頃から作家志望で、昼はフルタイムで働きながら夜は執筆を続け、作品を何度も出版社に持ち込むんだけど断られつづけるという経歴の持ち主なんだ。」

 

ポスト「う~ん・・・友人の事を考えると人ごとだとは思えないね。」

 

配達員「出版社でダメだった彼女は、あきらめずにLuluというサービスをつかって自分の作品を紙書籍にして自己出版するんだけど失敗してる。結局一冊も売れなかったんだって。それでもあきらめず最終的にアマゾンの自己電子出版サービスにたどり着いて、2010年4月~2011年3月までに100万部以上を売って、一躍ミリオン・セラー作家になったんだ。」

彼女がブログで紹介している7つの成功の秘訣は、彼女と同じように自分の漫画が出版社に受け入れてもらえないと悩んでる漫画家志望者や、投稿や持込みをしながら新しい可能性も試してみたいという人にとって、実際に成功した秘訣として参考になると思うんだ。」

 

【成功の秘訣1】 ”人気のあるジャンル” × ”自分の書きたいもの”で勝負する

彼女はアメリカのティーンエイジャーに人気のあるバンパイアやゾンビが登場するパラノーマルロマンスというジャンルに絞って作品を書いた。 彼女もそれが大好きらしく、自分の好きなもの書くということと人気のあるジャンルを書くということがうまくかけあわさって相乗効果を生んだ。

自分の描きたいものを描くのは簡単だけど、それが人気のあるジャンルかどうかを考えることが大事だと気づかされたよ。

 

【成功の秘訣2】 可能な販路をすべて試し、時代の流れにのった

出版社への持込み→断られる。 紙書籍で自己出版→一冊も売れず。 自己電子出版→ミリオン・セラーに。

あきらめない精神がなにより大切!ただ、アメリカではこのころ電子書籍が急速に普及していて、時代の流れにものったみたいなんだ。この時代の流れっていう要素は成功するのに大事な要素の一つだ。日本の電子書籍やWEB漫画はこれからだからチャンスだね。

 

【成功の秘訣3】 新しい作品を発表し続け、読者を惹きつける

彼女は読者を惹きつけておくために、次々と作品を発表する。 これってよく考えれば普通の漫画雑誌はやってることだよね。週刊や月刊という短い期間で物語がどうなるか常に読者をワクワクドキドキさせる。

漫画家としてやっていくために最も大切なことは何か?

それは連載をもつことだ。

だって読み切り一作描いたって毎月収入がないと生活できないんだもん。3ヶ月も4ヶ月も間があくと、忘れちゃってもう買わなくていいやってなるのかも。

 

【成功の秘訣4】 価格を安くし、読んでもらうことを最優先にする

2013年1月時点で短編を1.24ドル、1-4巻までをセットで約3ドルで販売。 紙代、インク代、印刷費、流通費がほとんど不要な電子書籍だからできる強み。

 

【成功の秘訣5】 書評ブロガーに作品を宣伝してもらう

書評ブロガーなどのインフルエンサーに作品を見てもらい、作品の人気投票やSNS経由で宣伝してもらう。これによって実際に販売数が急増したと彼女は言っているんだ。

過去にはピコ太郎さん(PPAP)がジャスティン・ビーバーさんのツイートで一気に世界的に有名になったのが典型的な例だね。

有名人のインフルエンサーが周りにいなくてもブログやSNSでファンを獲得している人は周りにいるはず。そういった人に作品を紹介してもらうのも一つの方法かもしれない。漫画雑誌の場合は、人気のある作品目当てで買った読者が、ついでに新人作家の作品を読んでくれるというのが最大のメリットだけど、電子書籍やWEB漫画の場合、無名な作家の作品は効果的に宣伝しないとインターネットという大海に埋もれて誰も読んでくれないんだ。

 

【成功の秘訣6】 作品の完成度を上げることに労力を惜しまない

作品の品質を高めるために何十回も自分で編集を繰り返したんだって。編集者を雇ったり、公開前に読者に読んでもらうことで誤植や文法の間違いを修正し品質を高めたそうだよ。投稿や持込みで編集者に何回もボツをもらって修正を繰り返すのに似てるね。漫画家志望者はとにかく作品を描きあげることが難しいけど、そこから一歩先、描きあげた作品の品質を上げるという努力にいきつけるかどうかが成功のポイントなんだね。

 

【成功の秘訣7】 読者の感想や反応を収集して作品の完成度を上げる

FaceBookやTwitterなどのSNSやブログを通じて読者の意見や感想をリサーチし、作品に反映させる。意見をくれた読者と直接やりとりをしながら関係を築く。常に独りよがりな作品になっていないかチェックし修正を繰り返す。これは漫画雑誌の読者アンケートを自ら行ってるに等しい。

 

ポスト「ミリオン・セラーって言葉だけを聞くと華やかなイメージがあったけど、地道な作業を繰り返してるんだね。」

 

配達員「そうなんだ。電子書籍やWEB漫画で成功するためには、描くという作家の仕事とは別に、宣伝・広告、編集、読者リサーチ・マーケティングという本来出版社や編集部がやるべきところを自分でやるということなんだ。

自己電子出版でミリオン・セラーをたたきだした彼女は、最終的に米国大手出版社マクミラン社傘下のセントマーティンズ社と約200万ドル(1.6億円)超で紙書籍の出版契約を結んでる。これは、出版社からデビューする従来のカタチから電子書籍(WEB)→人気がでたら紙出版という新しいカタチなんだ。

自己電子出版やWEB漫画は、デビューしたいけどなかなかできない作家にとっては、うまくいってもうまくいかなくてもすべて自分の責任で作品を発信していけるというやりがいがある。

一方、紙書籍がなかなか売れない出版社にとっては、電子出版で人気がでた作品をとりこむことで業界が盛り上がっていく可能性がある。うまくいけばお互いにメリットがある好循環が生まれると思って注目してるんだ。」

 

 

【成功の秘訣 番外編】 本当に描きたい漫画を描いて漫画家になるために

 

配達員「日本でも2013年、漫画家の鈴木みそ先生が自身の漫画をアマゾンのKindle ダイレクト・パブリッシングで電子出版し、年間純利益1000万円をたたき出している。(『電子書籍で1000万円儲かる方法』鈴木 みそ (著), 小沢 高広 (著))

 

先生はこの本の中で『1000人の村説』という興味深い提案をしている。

 

これは、自分と似た考えをもっている人が、世界中を探せば1000人くらいはいるはずだ。作家はそういった自分と似た考え方をもった人たち1000人に発信する場所を作れば、濃く長く、作家活動を続けることができるのではないかという考え方だ。

 

”似た考え”というのはボクたちの言う”共感ポイント”のことだと思う。

 

大衆うけしないコアなジャンルを描く作家であっても、ファンが1000人いて、月額数百円の課金が成立すれば、例えば300円で電子コンテンツを買ってもらうことができれば月収30万円になり、作家として十分やっていけるというんだ。」

 

ポスト「本当に好きな漫画なら300円出しても読みたい。」

 

配達員「僕がつくってるAI翻訳型漫画投稿webアプリ『MANGA POST』もこの考え方と同じ発想で開発をはじめたんだ。日本は少子化社会で子供も少なくなっていて、漫画雑誌の売上げは年々落ち込んでいる。発表する場所も買ってくれる人もどんどん少なくなっている。」

 

ポスト「でも世界に目を向ければまだまだ市場はあるってわけだね。なんたって世界人口は90億人だもん。90憶もいるなら1000人ぐらいはボクのファンになってくれるかも・・・うしし・・・ヨダレ」

 

配達員「クリアしなきゃいけない課題も多いんだけど、電子通貨も現実味を帯びてきていて環境は整いつつあるんだ。

現在、『MANGA POST』はAIによる翻訳と連載機能は実装済で、今は連載まんがの課金ができるシステムを、世界的な決済システムで実装していてテスト段階にある。今後は漫画家志望者が出版社だけに頼ることなく、個人の力で世界的に活躍できる漫画家としてやっていけるサービスをつくりたいと思ってるんだ。

ボクの夢は、戦後、手塚治虫先生から始まった日本の漫画文化をこのまま衰退させることなく、もっともっと世界中に広めたい。そして将来的には世界中の漫画家志望者がお互い刺激をうけながら漫画家としてやっていける環境をつくりたいと思ってるんだ。」

 

ポスト「壮大な夢だね。ボクも微力ながらバトル漫画を投稿するよ。

(心の声)知らない漫画家の読み切り漫画を買う人はいないので、続きが気になる連載バトルまんがを投稿して儲けよう・・・うしし・・・ヨダレ。」

 

 


『電子書籍で1000万円儲かる方法』 鈴木 みそ (著), 小沢 高広 (著)

 

1000万円?嘘でしょ!?って思うけど、実際にAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシングで年間純利益1000万円をたたき出した漫画家の鈴木 みそ先生と日本のKDPのパイオニア小沢 高広先生の漫画自己電子出版のノウハウ本だから決して嘘ではない。アマゾンの取り分をひいた実際に稼いだ金額が1000万円をこえるというからスゴイ。対話形式で語られる内容には、電子書籍を売るための具体的な方法がかかれている。例えば表紙(トビラ)ひとつとっても紙と電子では違った見せ方をしなければいけないという。今後自分の漫画を電子書籍にして売りたい人は参考になるかも。


スウィッチ [文庫] アマンダ・ホッキング (著), 裕木俊一 (翻訳)

 

電子書籍発のミリオンセラー 第二のJ.K.ローリングとして話題沸騰 桁外れの新人作家デビュー作! ”私はいったい何者?” 謎めいた美少年との出会いが、17歳の少女を波瀾の運命へといざなう


【参考サイト】 ■アマンダ ホッキングさんのブログサイト < https://amandahocking.blogspot.co.uk/ > ■メガ・ベストセラー作家 アマンダ ホッキング ー自費出版ながらミリオンセラーを記録したシンデレラストーリー < https://www.bookwave.jp/archives/954 > ■シンデレラ作家の成功の秘密 ー米国で100万部売ったアマチュア作家 < https://www.sciencereadings.com/3787/ >

LINEで送る
Pocket